京都旅行一日目 -3

京都の山に日は暮れて

次の目的地の常寂光寺に着くころにはかなり本降りになっていた。
常寂光寺の中の東屋で雨宿りする。蓑と笠もあり、なんだかものすごくいい雰囲気だった。

地元だけれど時々観光に来るという、元気なおばさんたち4人組みと一緒になった。15分ほど話していたら今度は東京から来た若い女の子3人組がやってきた。これからあちこち回ろうと思っていたのにと、自分も含めて皆で意気消沈気味。


そんな若い我々を尻目に、元気なおばさまたちは「雨どうもやみそうにないね。行くしかないか。あっはっはっ」と、雨の中へ消えていった。
私たちも彼女らに負けじと、後に続いて雨の中へと飛び出した。が、中国の方から来た団体さんのパワーに圧倒される。



5分ほど散策していたら晴れてきた。本当に紅葉のきれいなところだった。待ってよかった!ここでも素敵な写真がたくさんとれた。落ち着いた雰囲気のいい場所だった。







隣の二尊院もまた紅葉がきれいなところで庭も素晴らしかった。人も少なくて落ち着いて参拝できた。



次に向かったのは祇王寺祇王寺はコケがきれいな寺で、ひっそりと建てられた庵のかやぶき屋根もいい感じだった。本当に行ってよかった。



平家物語をたどりそばの滝口寺にも行きたかったが、間違えて檀林寺門前というところに迷い込む。

素晴らしい方もつの数々を拝むことができた。不動明王の龍のまとわりついた双剣と自然木の炎もいいし、曼荼羅図もいいし、夢違観音菩薩像もご利益ありそうだし、まあよかった。

管理人のおじさんのトークに乾杯。



ゴールに決めた清涼寺(嵯峨釈迦堂)では、霊宝院も特別観覧できる期間にあたった。
あの彫刻の数々には癒された♪ おなかいっぱいです、はい。 
本尊も見れたし、佐賀出身というお坊さんがいろいろ解説してくれて大満足。

美と美声のお守りというのが売ってあってなんだか珍しいので友人のお土産に買った。

庭園は借景の素晴らしさとは言わないが、趣があり落ち着いていた雰囲気を出していて気に入った。
日も暮れかけてきて寺の床の冷たさを感じた。






ちなみに境内は小学生の通学路の近道になっているようで、下校中の子に2度ほど遭遇する。

宿泊地へと向かうバスがなかなかつかまらず、本当に心細い思いをした。
見知らぬ土地。寒さが余計身にしみる。

・・・そうか。ここは京都でも田舎の方なのか。
覚悟を決めていたのを忘れていた。

宿泊地は仁和寺の御室会館という、ちょっとした宿坊。かなり設備が充実していて使いやすいという評判である。夕食はちょっと値段が張るしぜいたくだと思い、朝食のみで予約をしていた。

「まあ、周辺の町で何か食べられるだろう」と軽く考えていたら


あたり真っ暗で何も見えないのですが…。

閉門時間を過ぎているので、山門からではなく東門から入ることに。
しかしその付近、特に路地には街灯が一本もない。 

横断歩道で一緒になった帰宅途中のお姉さんが、「帰り道だから」と一緒に行ってくれた。
そうでなかったらきつかった。あの暗い道を一人で行くのかと思うとぞっとした。

やさしさに感謝。
気をつけて帰ってください。

結局夕飯食いはぐれる。 久しぶりに広々としたお風呂でのんびり体を伸ばし、浴衣を着て、部屋にあったお湯と急須でお茶を入れて飲み、用意してくれた布団で気持ちよく寝る。
近くに食堂はあるらしいのだがあんな暗い所を出歩けませんから。


これは寝るしかない。

おやすみなさい・